【騙されない!】空気清浄機でウイルス感染は防げる?

空気清浄機ではウイルス感染を予防できないと考えられている。
その理由を理論的に理解しよう。

bird flying on sky

感染経路

ウイルスや細菌の感染経路は主に3つあります。

まずはこの感染経路の違いを理解しましょう。空気清浄機がこれらの感染予防になるかはその後お話します。

空気感染

結核や麻疹(はしか)、水痘(水疱瘡)などが該当します。

同じ部屋で過ごすなどすれば直接接触しなくても感染します。

感染を防ぐために入院する場合は隔離(陰圧個室)され、入室にはN95マスクという網目の非常に細かいマスクを使用します。

飛沫感染

インフルエンザなど一般的なウイルスはこの感染経路です。

感染者にはマスクをしてもらい、咳やくしゃみなどで飛沫が飛ばないようにします。

接触感染

A型肝炎ウイルスなど汚染された食材の摂取で感染する経口感染、HIVなど血液に直接触れることで感染する粘膜感染、性行為で感染する性行為感染があります。

空気感染や飛沫感染を起こすウイルスが多く含まれたもの(患者のつかったてすり、食器、便器など)を触った場合に感染することも接触感染と言います。この接触感染の対策は手洗いすることが必要です。菌なんかもよく接触感染しますね。

その他

他にも母子感染がありますがここでは詳細は省きます。

空気清浄機でウイルス感染予防はできる?

空気清浄機でウイルス感染を予防する場合空気感染が対象になると考えられます。

なぜなら飛沫感染を起こすインフルエンザウイルスなどは常に空気中にウイルスがいるわけではなく、時間が経つと手すりやテーブルなどに水分と一緒に付着します。

飛沫はすぐ床やいろいろな場所に落ちてしまうため、いくら空気中のチリを取っても大きな効果は望めません。

空気感染経路におけるウイルスや細菌の粒子の大きさは直径4µm以下と言われています。

つまり4µm以下の粒子をフィルターでキャッチできれば理論上空気感染のリスクを減らすことができると考えられます。

次に空気清浄機のフィルターの網目の細かさを見てみましょう。

今多くの空気清浄機に用いられているフィルターはHEPAフィルターです。

直径0.0003mm=3µmの微細粒子を99.97%キャッチできる高性能のフィルターとのことです。

HEPAフィルターさえあれば3µmの粒子をキャッチできるのであれば空気感染における粒子の大きさである4µmより細かいので空気感染が理論上予防できます!

と言いたいところですがあくまで空気清浄機が粒子を除去できるのはフィルターを通過した空気だけであり、粒子経ももっと小さい可能性もあります。

「空気清浄機が動いているから肺結核の人と一緒に生活しても平気!」という人はいないでしょう。

むしろ一般的な細菌やウイルスの感染は飛沫感染であり、新型コロナウイルスも飛沫感染であるとされています。

飛沫感染の予防は手指衛生であり、さらに予防するなら感染者が触ったものや咳したところのテーブルや床などを消毒するのが効果的です。マスクも完全に予防効果がないとは言えませんが基本的には飛沫を外に出さない=感染拡大防止がメインです。

結論として飛沫感染の対策において空気清浄機での予防効果より接触感染予防の手洗い、うがい、家具や食器の消毒の方があらゆる点で優れていると考えられます。

あまり空気清浄機に過剰な期待をするのはやめましょう。

空気清浄機自体が無意味と言うわけではなく、ウイルス感染において効果は限定的ということです。花粉やハウスダストには一定の効果があると思います!

アルコール消毒について
ほとんどのウイルスはアルコール消毒が有用ですがノロウイルスだけ(厳密には他にもいますが)はアルコールに耐性があります。なのでノロウイルスの吐物や汚物を処理した場合はアルコール消毒が無意味なのできちんと手洗いして別の消毒をしましょう。
ちなみにウイルスと細菌の違いについてはこちらで解説しています。

置くだけでウイルス除去?

クレ〇リンという商品をご存知でしょうか。

置くだけで部屋の細菌やウイルスを99%減少させることができるそうです。

もし本当なら全国の病院(特に感染症患者がいる病棟や陰圧隔離部屋)に置いてほしいですね!

実際クレベリンが置いてある病院は見たことが自分はありません。

クレ〇リンは二酸化塩素という物質を発生させ、その二酸化塩素がウイルスや細菌を除去するそうです。しかもエビデンス(証拠)として論文を発表しています。

しかし、残念なことにこの論文はクレ〇リンの会社が関与した論文で、研究費などもおそらく同じ会社が出していると考えられます。そんな論文ではクレ〇リンは効果がありませんでしたとは言えませんよね・・・

さらに残念なことに別の人が二酸化塩素のよるインフルエンザの消毒効果はおまけ程度で加湿器付けた方がよっぽど良いという結果でした。

詳しい実験報告はこちらを↓

さらに現時点で低濃度の二酸化塩素に長期間さらされた場合の副作用は未知です。咽頭痛が出たり、眼の刺激性やにおいなどが気になる人もいるようです。

このような結果から自分はあえてクレ〇リンを使用したいとは思いません。

感染したくない人はどうすれば良い?

本当に感染を予防したいのであればアルコール消毒(ノロウイルスは除く)、手洗いやうがい、マスクが結局良いということです。

もっと言えば規則正しい生活や運動など抵抗力を下げないようにすることの方がより重要だと思います。

当たり前ですがウイルスを排出(つまり感染者)に近づかないことも大事です。人混みはどこに感染している人がいるかわからないので注意ですね。

まとめ

感染経路で予防や対策は変わってくる。
空気清浄機などはあくまでオマケ。基本の手洗い、うがい、消毒、マスク、基礎体力が感染しないようにする最も確実な方法。

コメント